月下香
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男は走っていた。 森の奥から漂う甘い香りをたどって。 どれぐらい走ったか、確認しようと左腕に視線を落とした。だが、そこにあるはずの腕時計はいつの間にかなくなっていた。ずいぶん昔に娘に貰ったものだが、ベルトが緩んでいたのだろうか。携帯が入っていたはずの鞄も、どこかに置いて来てしまっていた。 取りに戻らないと、男にまだ残っていた理性が告げた。だが、少し振り返った瞬間に匂いが薄れた気がして慌てて足を速めた。
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