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三島の死体は転がったままだった。
それもそうだ、七瀬は俺の隣に座ったまま焦点の合わない目で何かを呟いているし、雛川はベッドに横たわって泣いている。
田中は相変わらず死んだように背を向けているし、その横にいる伊崎は七瀬をじっと睨みつけていた。
もはや派閥のようなものは消え、完全に個人としての意思で動いていた。
ベッドから立ち上がり、足元に転がったままの三島の死体を仰向けにする。
幸いだったのは既に血が固まっていたことだろうか。
なるべくグロテスクになった顔を見ないように服を調べていく。
と、三島を調べていた僕の手元に黒い影が落ちる。
「おいィ~、おまえぇ~なにやってンだよぉぉお~!!」
七瀬だった。
片手に斧を持ち、ラリった表情で涎をたらしながら僕を見下ろしている。
思わず身構える。
何をしてくるかわかったもんじゃない。
「なにって……調べようと……。」
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