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僕はそっと立ち上がり、僕と七瀬のベッドに腰掛ける。
「伊崎、ありがとう。」
あれが直撃していれば、死んでいただろう。
僕の力では七瀬に敵わない。
「お前も……妙なことしてっから目ぇつけられるんだよ、おとなしくしとけよな。」
ぎろりと睨まれるが、それもすぐに呆れたようなため息に変わる。
そして、その表情は雛川に向けられた。
雛川は相変わらず三島を起こそうと揺すったり話しかけたりしていた。
よほどショックだったのだろう。
「ヒナも……、かわいそうだけど、三島は帰ってこないんだ、そっとしといてやれよ……。」
くるりと、雛川が伊崎の方を向く。
溢れていた涙はその流れをとめ、病んだような、疲れきった表情だ。
「違うよ……。」
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