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「じゃ、じゃあ頑張ってきますっ!!」
ペコリと一礼してキッチンへと走り去る黄泉を、私は泣く子も黙るような笑みを浮かべて見送ります。
本当はティーバッグなんて邪道でございますが、仕方ありません。
黄泉が無事に紅茶を完成させるためには致し方ないことでございましょう。
と、そんな事を考えてございます私の前に、執事のイシュタールがゆっくりと歩み寄って来やがります。
「よぉ、良く聞けメイド共」
開口一番、なにやら失礼な物言いを始めるイシュタールに、私はこの可憐な眉をひそめます。
「あらあら。執事は屋敷内での言葉遣いも学んでいないようでございますわね。これで奥様を満足させようだなんて、ちゃんちゃらおかしいですわ」
「ククク……笑わせてくれるぜ」
聖句に等しき私の言葉を聞いても、イシュタールは下卑た笑いを止めようとしません。
全くもって罪な奴でございますわ。
「いいか? この勝負は万にひとつも貴様らに勝ち目は無い。勝つのは俺達、執事チームだ。役立たずなメイドは、精々旦那様に性的なご奉仕でも」
――パァン!!
「イシュタァァァル!!」
私の愛銃が火を吹き、ガングロ白髪の眉間をぶち抜きました。
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