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「全く、酷いじゃないか……」
「自業自得でございますわ」
私は、ご自分で一個一個弾丸を取り出しながら付いてくる旦那様と共に、焼却炉へ向かっております。
「それにしても、無い乳を揉まれたくらいでマシンガ……」
――パァン!!
旦那様の言葉が終わらぬ内に、私のセンチメーターマスターが火を吹きました。
全くこの人には学習能力とか無いのでございましょうか。
「酷いじゃないか、冥土君」
「自業自得でございますわ」
私は、額のケチャップを拭きながら付いてくる旦那様と、先程のものと同じ会話を交わし、広大な庭をひたすら歩きます。
それよりも旦那様は、何のために焼却炉に行くのか分かってらっしゃるんでしょうか。
到着した瞬間、ゴミと炎にまみれる事になりますのに。
「ああ、そうだ。今日は友人の十八禁悟(とうやきんご)君が来るんだよ。後で準備をしといてくれないか」
「承知致しましたわ。地下の客間を掃除しておきます」
「ハハハ! 冗談が上手いねえ冥土君は。地下には牢獄しかないじゃないか」
旦那様が大口を開けて笑いました。
全く、私の口から冗談など発せられる訳がありませんのに。
そんな、名前だけで人柄が分かりそうなお客様などブタ箱がお似合いですわ。
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