雨宮家の人々

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  「……そういえば、旦那様は禁悟様との勝負に何を賭けているのでございますか?」 ふと思い付いた私の質問に、旦那様は得意げなスマイル(0円)を浮かべ、言いはなったのでございます。 「冥土君、聞いて驚くなよ。彼は現在中学生の娘さんのアルバム“たまちゃん日記”を! そして私が賭けるのは“美人メイド盗撮写真集”さ!」 ――パァン!! 私の愛銃がまたも火を吹きました。 その時、倒れ込む旦那様のポケットから零れた一枚の写真。 それは私が、浴室でこの美しい身体を清めている所を盗撮した写真でございました。 「……アスタラビスタ、ウンピエールベイビー?(地獄で会いましょう、クソ野郎)」 私は旦那様に最後の言葉を投げ掛けると、即座にその豚のような身体を焼却炉に押し込んで、火力をMAXに調節致しました。 「これは餞別です。地獄でせいぜい楽しむがよろしいですわ」 心優しい私は、先程の写真を焼却炉に投げ込み、蓋を閉めます。 そしてそのまま悠々とその場を去ったのでございました。 全く、後で旦那様の部屋を徹底的に掃除しなくては。 いっそ、部屋ごと焼却してしまいましょうか? 午後からの仕事に思いを巡らせながら、私は朝食の片付けへと戻るのでございました。 どうですか皆様。 メイドという仕事も大変でございましょう? 全然大変そうに見えない? ……焼却炉、まだ空いてますわよ?  
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