もう一人の殺人メイド

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「ハッタリ!? 何の事!?」 あらあら。勇ましいですこと。 いまだ虚勢を張るメイドに、私は変わることのない残酷な真実を告げたのでございます。 「あなたのその銃は、トンプソン・コンデンター。少しの部品交換だけで様々な弾薬に対応できる優秀な銃でございますが、ひとつだけ弱点がございます。それは、弾薬が1発しか装てんできないこと。しかも交換には自ら薬莢を取り出して弾を込める必要がございますわ」 私の口から紡ぎだされる華麗なる真実の調べに、彼女の表情が青ざめていくような気がいたします。 「しかし、あなたを追いかけている間、床に薬莢は落ちてございませんでした。すなわち、あなたの弾薬は地下牢で旦那様に放った分で尽きてございます。さあ、ハッタリはやめて、おとなしくヨーゼフを解放してお縄につきなさい」 私は決め手となる一言をぶつけ、メイドに歩み寄ったのでした。 「近寄らないで!!」 ――パァン!! 響き渡る銃声。 血を流して倒れるヨーゼフ。 あれえ? 私、どこか間違えたのでございましょうか?  
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