もう一人の殺人メイド

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  「いやああああ! ヨーゼフ――――ッ!!」 背後で見ていたミランダの悲痛な悲鳴が庭に響き渡りました。 「へへーん♪ なかなかの推理だったけどまだまだね。空薬莢はポケットに入れたんだよ!」 茶髪のメイドが、私に対して得意気に言い放ちます。 なるほど、そんな方法で証拠隠滅を図るとは……やりますわね。 ……ですが、まだまだ甘いでございます。 「ふふっ。作戦通りですわ。」 勝利を確信した私の表情に、メイドの顔色がみるみる変わります。 「作戦通りってどういう事!?」 「分かりませんの? 貴女が今ヨーゼフに放った銃弾で、また貴女の弾薬は尽きたのでございますよ? まんまと引っ掛かってくれましたわね。戦いの大局も見ずに、小者に最後の銃弾を使うとは、笑いが止まりませんわ」 「ああ! し、しまったぁ~!!」 うなだれるメイドに、私は静かに愛銃を向けました。 「なかなかに高度な心理戦、楽しませて貰いましたが、ここまでのようでございますわね」 そこで私は、ミランダに目を向けます。 最愛の恋人を失い、涙するミランダ。 このような非道な真似をしたこの女を許すわけにはいきませんわ。 「あのミランダの涙に誓って、貴女は許すわけにはいきません。さあ、終わりに致しましょう」 冥府へと向かう一輪の花に、私の美しき声が最後の灌水をし、ゆっくりと引金を―― 「待って!!」 突然に放たれた声と共に、メイドが自らのメイド服を大きく開きます。 その裏地には、大量のダイナマイトが装着されてございました。  
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