もう一人の殺人メイド

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  「きゃああっ! ち……血迷ったの!?」 いきなり現れた大量のダイナマイトに、ミランダが大きな悲鳴を上げました。 「わ、私を撃ったらこれが全部爆発するよっ! この量なら屋敷も無事じゃすまないんだから!」 大騒ぎするメイドに、ミランダがガタガタと身を震わせます。 そんなメイドを見据え、私が無言でポケットから取り出したのはマッチ箱。 旦那様が、忌々しき巨乳パブ『ふじこちゃん』で貰ってきた代物ですわ。 まあ出てきたのはジャイ子だけだったと嘆いておりましたが。 「えっ……!? ちょっ……」 さて、ゆっくりとマッチに火をつける私を見て、何故かメイドが慌ててございます。 「ゴー・トゥ・ヘヴン。ウンピエールレディ?(天国へお逝きなさい? クソ女)」 「いやあああああああ!!」 ちゅどーん。 私が投げたマッチは美しき放物線を描き、メイドのダイナマイトに引火して、それを爆発させました。 激しい爆発は屋敷にまで届き、地下牢と併設された火薬庫に引火し更に勢いを増します。 今頃地下牢では豚の丸焼きが出来ている事でしょう。 やがて、ガラガラと無粋な音を立てて、屋敷が崩れ落ちました。 後に残るは、威風堂々たる私と、横で腰を抜かしているミランダのみでした。 それにしても、わざわざとどめを差しやすくして下さるとは、往生際の良い相手でございましたわね。 結局、何も話を聞くことは出来ませんでしたが、旦那様を守れたので良しと致しましょう。 さて、私は屋敷を掃除しなくては。 瓦礫の山と化した屋敷に、私はモップを片手に意気揚々と歩き出したのでございました。  
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