メイドと執事のご奉仕対決

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  さて、朝の支度を済ませた私は、旦那様を焼却炉に投げ込み、屋敷の掃除を始めるのでした。 それにしても、この前屋敷が崩れた時はどうしようかと思いましたわ。 さすがの私でも、松居棒が無ければ元に戻せなかったかも知れません。 あんな事は二度と起こって欲しくありませんわね……。 あれ……? そう言えば今日は! 記憶の糸を手繰り寄せ、私がある事実を思い出したその時、門の方からトラックの音が響きます。 それは耳障りな電子音を鳴らしながら、ゆっくりとバックで庭に侵入してきたのでございました。 「そうでしたわ……。今日はあの女が……」 事実であって欲しくなかった事実が目の前に現れ、私は頭を抱えます。 そしてトラックの助手席が開き、ゆっくりとその姿を現す、見覚えのある人物。 キラキラと無駄に自己アピールする、茶色のショートヘア。 私とまみえた時と同じ、勝ち気そうな瞳。 それでいて、声は人を小馬鹿にしたような甘えた声なのですわ。 そして、その上半身に嫌みったらしくぶら下がった、忌々しいその大きな胸。 そう、この女は、つい先日屋敷を襲撃してきたあのメイドでございます。 あの後、旦那様に一晩中謝罪して、ここに住み込みで働く事になったそうでございます。 どうせこの大きな胸を利用して謝罪したのでございましょう。 ああ、なんとも忌々しいウンピエールレディーですわ。 止まらない殺意を唇を噛み締めて抑えていると、ウンピエールレディーが丁寧に私にお辞儀をして、自己紹介を始めました。 「おはようございます。今日からここで働く事になりました、爆導索桜子(ばくどうさくさくらこ)です。よろしくお願いします」 屈託の無い笑顔を向けてくる桜子に、私はこれから訪れるであろう波乱を、危惧せずにはいられませんでした。  
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