メイドと執事のご奉仕対決

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  その後、黄泉が湯を沸かしていた鍋が爆発し、第一戦は両選手死亡により引き分けとなりました。 まあ、黄泉にしては頑張った方でございますでしょう。安らかに眠れでございます。 さあ、次の桜子に期待ですわ。 「桜子さん? 負けたら許しませんわよ?」 「大丈夫ですよ、必ず奥様を骨抜きにしてやりますから」 ああ、骨抜きとか言ってる時点で非常に不安でございますわ。 魂まで抜き取ってしまわないことを祈るばかりでございます。 「第二戦、本田マッスルVS爆導索桜子! デュエル!」 セバスチャンの掛け声で、第二戦が始まりました。 桜子はゆっくりと、何やら色々な調合を行っております。 対するマッスルは、手早く湯を沸かし、茶葉を用意し、芳しい香りを放つ紅茶を完成させました。 まずいですわ。 あの筋肉ダルマ、意外に繊細でございました。 「奥様、私の特製ダージリンでございます」 肉野郎が丁寧な動作で茶を置くと、奥様の顔が綻びます。 しかしその刹那―― 「少々失礼を致します。ふんぬぉぉぉ!」 ブッ! バリィッ! 私は、目の前の光景に唖然と致しました。 なんと、この下品なエドモンド本田が、突如自らの服を破り捨て、ふんどし一丁のおぞましい姿になったのですから。 しかも力み過ぎて屁までこいてございます。 ああ、何と嘆かわしいウンピエールマッスルでございましょう。 そして筋肉バカは、呆然とする奥様の前にその見るも痛々しい脇を向け、そこから滴るグロテスクな汗を、紅茶の中へと落とし込んだのでございます。 そして、にっこりと笑ってこう言うのでした。 「隠し味でございます」 ――パァン!! 私の正義の銃弾が、怪奇肉だるまの脳天をぶち抜きました。 「桜子! この汚物を便所に流して来なさい!」 「あいあいさー」 私の言葉に、桜子が紅茶作りを中断し、ウンピエール本田を引きずって行くのでございました。  
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