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「全くひどいじゃないか、主に発砲するなんて」
「申し訳ありません。あまりに不快でしたので」
ようやく目覚めてベッドに腰かける旦那様が、額からトマトジュースを流しながら私に説教をします。
ちなみに私、後悔も反省も全くしておりません。
「まあいい、ちょっと待っててくれ。身だしなみを整える」
そう仰って、旦那様がボサボサの寝癖頭を手ぐしでオールバックに整え、ひんまがった口髭の形を両手でくいっと直します。
……旦那様の御手は、どれほど脂ぎっていらっしゃるのでしょう。
想像したくもありませんね。
「ん? 冥土君、ちょっと来たまえ」
旦那様が私をベッドに誘います。
今度は股間を撃ち抜いて欲しいのでしょうか。
「今日の空があまりに綺麗なのだ。君も見ると良い」
どうやら下心は無いようでございますね。
まあ勿論、いきなり押し倒された時の用心は怠りません。
私は旦那様に寸分違わず銃口を向けながら、ゆっくりと隣に腰かけたのでございます。
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