雨宮家の人々

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  「今日の空は一段と青く、美しい。そうは思わんかね?」 「そうでございますわね……。心が洗われますわ」 旦那様が窓から空を眺めて、仰います。 確かに窓から見える蒼穹はとても広々として美しく、このまま飛び立ってしまいたいくらいでございました。 横にいるのがこんなクソ野郎じゃなければどんなに素晴らしかったでしょう。 あらいけません。 私とした事が『クソ』なんて下品な言葉を使ってしまいました。 これではいけません。 もっと高貴で丁寧な言い方を考えなくては。 クソ……ウンPじゃ可愛すぎますわね。 そうです。 『ウンピエール』と名付けましょう。 ウンピエール。 そこはかとなく高貴な香りが漂いそうな名前ではありませんか。 誰もウンコの事だなんて思わないでしょう。 「冥土君、ほら見てみなさい」 さて、私の隣のウンピエールジェントルメンが、一つの雲を指差して言います。 「雲、でございますね。あれが何か?」 「あの雲なんだがね……」 旦那様が感慨深いお顔で呟き、ゆっくりと次の言葉を紡ぎました、 「……おっぱいに見えると思わんかね?」 ――パァン!! 真っ青な空を映し出していた窓が、真っ赤に染まりました。 全く、本当にバーローなお方でございます。  
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