第六巻

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……そうですね 錬君が大きくなって誰かと結ばれて子供ができて その子が今の錬君ぐらいの年になるあたりが 人類の限界でしょうか 閣下は全世界に対して公表すべきです ーこのままマザーシステムを維持し続けたとしても 人類には未来が無いという事実を 聞いても…いい? 誰かにマザーコアになれって命令するのってどんな気分? 世界に残された全てのシティは、等しく魔法士の犠牲によって成り立っています 私たちは、少数の犠牲の上に多数を乗せるような道を選択してはなりません ー政治とは断じて神の代行行為ではないのです ですが今回に限り、私はあえてマザーコアの交換を実行すべきだと考えます ……なぜなら次のマザーコアとは…他ならぬ私自身だからです 人々の安寧な暮らしとは尊いものです ーたとえ五十年が一年であり一日であったとしても 覚えておいて下さい たとえいかなる理を操り策を練ったとしても 最後に人々を動かすのは、理を超えたその先にある物です ……みなさんありがとうございました ー私は今日まで幸せでした
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