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「ふふふ、意地っ張り」
「うるせぇ」
「ツンデレ…ふふっ」
「笑うな……噛みつくぞ」
嗚呼、やりかねない。
「………よかった」
「なにがです?」
「お前が無事で…っ。お前とはぐれた時、すごい心配だった…。心配で心配で……どうにかなりそうだった…。目が見えないのに、知らない場所に1人きりで……っ…」
「アーサー、確かに私は不安で押しつぶされそうでした。でも、1人ではありませんでしたよ?」
「……え…?」
「いつでも、傍にあなたがいますから」
「…っ……! 菊…! 菊! 菊、…菊っ……!」
1人がどんなに辛いことか。
それは1番あなたが知っていること。
だから人1倍優しい。
2人がどんなに幸いなことか。
それも1番あなたが知っていること。
だから人1倍優しい。
だから、涙を流し真っ赤な瞳でいつも最後にこう言うのです。
「ごめん、菊…っ」
fin
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