全ての始まり、全ての終焉

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全てを飲み込むような漆黒の闇 目を、閉じても開いても、無限に広がる闇 どれくらい…この空間にいただろう 匂いも、光も、音も、何もない虚無の空間 私はベッドに横たわり、手足を四隅の柱に、 まるで磔にされたように杭で打たれていた この空間に来たときは、ずっと激しい痛みを伴っていた だけど、相当長い間そのままだったため、痛みに馴れてしまった あとは、左腕に刺さる針のような違和感 きっと、点滴だ。 早く此処から出たい 私は知らなかった 外に出たとき、 私に生きる意味も、拠り所も、なにもかもが、私の存在を消していたことを 私の存在が、この世を歪めてしまうことを
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