多情

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『はい、木田ですが』 「あ、もしもし、あの、急にすいません、あの、高浜なんですが」 『……あぁ、美沢ちゃん!? どうしたの、ビックリしたよ』 「急にすいません、あの、亜以子チャンから、直太が倒れたって聞いて、それで」 『亜以子チャンから連絡いったんだ』 「はい、それで、あの、亜以子チャンに病院とかは木田さんに詳しく聞けって言われてそれで番号教えて貰ってかけたんですけど、あの」 私はまくし立てるように、木田さんへの言葉を並べた。 そういう事か、と木田さんは答え、ちょっと落ち着きなよ、となだめられた。 「あの、直太入院してる病院ってドコですか? 直太の状態は」 『だから美沢ちゃん、落ち着きなってば』 「早く直太のとこに行きたいんです、お願いですから」 少しだけ、木田さんの間が空いた。 『……分かったから。直太、急な事だったから何も持たずに病院行ったからさ、とりあえず荷物まとめて来てくんないかな』 「わ、分かりました……」 『今さっき中野にマンションの鍵持たせて行かせたんだ。多分まだまとめてる最中だと思うから、それから一緒に向かいなよ』  
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