あと7日

2/5
前へ
/59ページ
次へ
「…由紀子が逝ってもう1年か。…早いな。」 遺影の中の奥さんに話しかける。 この1年間、毎日やってきた日課だ。 「裕太ももう4歳だぜ?保育園、楽しんでるよ。」 そこまで言うと、後ろからドタドタと元気な足音が聞こえる。 「お父さん!行こう!」 本当に元気な息子だ。 「ほら、母さんに行ってきますは?」 「行ってきます!お母さんっ!」 そう言って家を出る。 もう1つの日課。裕太を保育園へ送ること。 俺はその間、美容師として一生懸命働いているわけだ。 「おはよう、裕太君。」 「おはようございます!」 保育士さんが毎朝笑顔で迎えてくれる。 「じゃぁ、よろしくお願いします。」 おかげで俺も安心して裕太を預けれる。 そして俺はいつも通り、職場へ向かった。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加