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それから少しずつ…少しずつ…トシとのメールは増えていった。
その中でトシの人柄がだんだん見えてきて…。
気付いた時には、トシに対する不信感は消えていた。
メールなんて文字だけで、いくらでも偽る事も出来る。
相手の顔が見える訳じゃないから、細かい表現も伝わりにくい。
それなのに…
トシの決して長くはない、飾り気のないメールにはスゴく人柄が出ていて、きっと温かい人なんだろうなと思った。
私達はそうやって少しずつ仲良くなっていった。
最初はメールだけだったのが、電話もする様になり…色々な話しをした。
毎日五時間、六時間話す事もあった。
そんなに話していても、ちっとも疲れなくて…もっと話したいとさえ思う様になっていた。
その時間の中で、お互いの色々な事を話した。
色々な意味で私達は似た者同士だった。
トシも最近まで好きだった人に、ひどい裏切られ方をしていた。
トシはもう心の整理はついたみたいだったケド…
私はまだ裏切られた事を受け止め…立ち直る為に、必死でもがいている状態だった。
だから自分の中の、どうしようもない気持ちをトシに吐き出していた。
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