崖の先の暗闇

失われた光

「大丈夫だよ」

彼女はそう言った。
けれど、彼女の瞳からは涙が流れる。

「きっと……大丈夫だよ……」

光を失った彼女は、今どんな気持ちなのだろうか。

恐怖？絶望？
残ったものは何？

「あなたが……いてくれれば、きっと大丈夫……」

僕は静かに彼女を抱きしめた。

自然と、僕の瞳からも涙が流れる。

僕が……彼女を支えなければいけないんだ……。

きっと、今の彼女には、僕だけが唯一の光なのだから。