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「やば……次の電車に乗らなきゃ、バイトに間に合わない」
この日彼女は、アルバイトに遅刻しそうになっていて、急いでいた。
「講義長引いちゃったもんな」
たまたま講義が長引いた。だだそれだけのこと。
だけど、この講義が長引いていなければ、きっと僕らの運命は変わっていただろう。
「ごめん!先に行くね!」
そう言って彼女は一人、駅に向かって走り出した。
「おう。バイト頑張れよ」
僕も彼女の後ろ姿を見つめながら歩いた。
駅の前に、大きな交差点がある。
彼女はそこを渡り始めていた。
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