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「瞳!?」
僕は、無我夢中で瞳の元へと走った。
途中、水たまりで足を滑らせ転んだ。
だけどすぐに立ち上がって瞳の元へ走った。
雨に濡れ、びしょ濡れになり、転んで傷を作りながらも、僕は瞳の元へ走った。
そして、そこで僕が見たものは、真っ赤に染まった血の水たまり。
そこに横たわる、服も真っ赤に染まり、頭から血を流していた瞳だった……。
「瞳!!」
僕がどんなに彼女の名前を呼んでも、彼女は返事をしてくれない。
「しっかりしろ!!瞳!!」
だけど、どんなに叫んでも、彼女は目を開けることはなかった。
僕は、真っ赤に染まった彼女をただ抱きしめ、僕自身も真っ赤になりながらも、彼女の名前を呼び続けた。
同じく真っ赤に染まった白い悪魔の前で――。
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