プロローグ

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シニアリーグ、全国大会…  決勝…  イニングは進み、最終回、7回表ツーアウト。  2ー1。  ランナーは満塁。  打席には、全国NO1スラッガー…  北見太一。  ここまで、2打席対戦し、一つ三振にとったが、1本のホームランをゆるしている。  一点差、敬遠はできない。  できたとしても、北見と同じく天才と呼ばれる、投手としてのプライドがそれを許さない。  額を汗が伝う。  この北見を討ち取れば  優勝。  言い訳のようだが、打たれた球は失投。  真ん中に入ったボールだ。  中学3年生にして、MAX146㎞/hのストレート。  カミソリとよばれたスライダー。  ストレートと、球速差45㎞/hのカーブ。  そして、消えるように落ちるフォーク。  失投さえなければ、必ず討ち取れる。  バックから励ましの声が飛ぶ。  …俺が打たれると思ってんのか?  そう思い、振り払う。  キャッチャーは当然、座ったまま。  サインの交換が終わり、ゆっくりと振りかぶる。
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