仲間

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矢崎「その、五郎さんは、どこの出身なんですか?」 俺が尋ねると待っていましたと言わんばかりの表情で、 五郎「俺ぁ、東京のもんだ。」 と言った。 矢崎「え?でもなんでこの電車に?」 五郎「馬鹿か」 また平手で叩かれた。 五郎「出張だよ出張」 ああなるほどと納得した。 五郎「参るぜ。出張先に封筒とこの時計が来たんだぜ……。」 矢崎「五郎さんは本格的に戦争に参加するんですか?」 五郎「いや、俺はただ逃げるだけだ。お前と同じくな。」 矢崎「わかるんですか?」 五郎「なんとなくな。どうだ宏六、俺と一緒に行動しねぇか?こんな39歳のオッサンだがよ。」  出会ってからわずか5分足らずの出来事だった。けど俺は大きく頷いた。  そして17歳と39歳はかたく握手を交わした。
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