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円帝国讃州(サンシュウ)西部 範(ハン)の街
この街にひとりの商人が住んでいた。
その商人の名は韓来(カンライ)
彼の父親は韓扇(カンセン)といい、範の街一の大商人だったが、数年前に亡くなっていた。母親も早くに亡くしており、ただひとりの兄弟である弟の韓承(カンショウ)も父親が亡くなる一年前に『旅に出る』という置き手紙を残し、家を飛び出していた。
父親の死後、韓来は父の後を継ぎ、商いで生計をたてていた。父親の時代ほどではなかったが、商売は繁盛していた。
彼の家族は妻の藍幽(ランユウ)と息子の韓進(カンシン)、また韓来は優秀な人材と交流を持つのが好きで、剣術の達人 伊琉(イリュウ)、槍術の達人 馬盛(バセイ)、力自慢の武人 陳亮(チンリョウ)と言った人材も居候させていた。
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