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けたたましい音を立てて、可愛らしい猫の形を模した目覚し時計は、持ち主を起こすという役目を一生懸命に果たそうとしている。
当の持ち主……私はと言えば、目覚し時計を止めようとするでもなく、ほんの少しだけ年季の入ったそれをぼんやりと見つめていた。
遠くの方から、『遅刻するわよ』とお母さんの声が聞こえて来たけれど、私は未だピンク色のパジャマを身に纏ったまま、ベッドの上で体育座りしていた。
目覚し時計の音は、まるで命の危険でも迫っているかのように段々と切迫した、先程までよりも大きな音へと変わり、やがて窓の外からお母さんの車の音が聞こえた頃には、ドッカーンと作り物染みた爆発音を響かせ、そして止まった。
代わって、カチカチという小さな秒針の音が部屋を支配する。しばらくそれに聞き入っていたけれど、丁度長針が動いたところでようやく私は決心してベッドを降りた。
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