日本共産党「日本人民共和国憲法草案」

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前文    天皇制支配によってもたらされたものは、無謀な帝国主義侵略戦争、人類の生命と財産の大規模な破壊、人民大衆の悲惨にみちた窮乏と飢餓とであった。この天皇制は、欽定憲法によって法制化されていた様に、天皇が絶対権力を握り、人民の権利を徹底的に剥奪した。それは、特権身分である天皇を頂点として、軍閥と官僚によって武装され、資本家地主のための搾取と抑圧の体制として勤労人民に君臨し、政治的には奴隷的無権利状態を、経済的には植民地的に低い生活水準を、文化的には蒙昧と偏見と迷信と盲従とを強制し、無限の苦痛をあたえてきた。これに反対する人民の声は、死と牢獄とをもって威嚇され弾圧された。この専制的政治制度は、日本民族の自由と福祉とに決定的に相反する。同時にそれは、近隣植民地・半植民地諸国の解放にたいする最大の障害であった。    われらは苦難の現実を通じて、このような汚辱と苦痛にみちた専制政治を廃棄し、人民に主権をおく民主主義的制度を建設することが急務であると確信する。この方向こそかつて天皇制のもとにひとしく呻吟してきた日本人民と近隣諸国人民との相互の自由と繁栄にもとづく友愛を決定的に強めるものである
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