時の彼方

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「夏侯惇、まだ銘憐のことを想っているのか…?」 話し掛けてきたのは夏侯惇の従兄弟で一国の主君である曹操だった。 銘憐とは夏侯惇の恋仲だった娼婦あがりの女官、 「……もう忘れたな…」 「嘘吐くな、顔に書いてあるぞ…?」 悪戯をする子供の様な顔になった主君を軽く睨んだ。 「……」 夏侯惇は押し黙った、 曹操の言っていることが本当だから、 本当に銘憐が忘れられないから…………………
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