崩壊

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しかし、そんな中でも心のオアシスはすぐ側に存在していた。 「ヒロ」 囁くように小さな声が耳に届く。 左隣にいる玲奈に視線を移すと、玲奈は少し心配そうな表情でこちらを見ていた。 滑らかな髪質、白くきめ細やかな肌、宝石のようにキラキラと輝く瞳、柔らかそうな桜色の唇。 その愛らしい容姿は、見慣れても見飽きることはなかった。 「大丈夫? すごい汗かいてるけど……」 玲奈はそういってハンカチを取り出すと、俺の額や首筋に浮かぶ汗を優しく拭きとってくれる。
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