白い子猫

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―僕は自分の部屋があるアパートの階段を上って、鍵を開け部屋の中に入った。部屋を明るくして、ストーブをつける。 少しずつ暖かくなっていく部屋の真ん中に、タオルに包んだ子猫を置いた。 「やっぱりお風呂だね。」 僕は自分の姿と子猫の姿を見て苦笑しながら言った。子猫はまだ寝ているのか、鳴き声はなかった。 僕はそんな姿を見てから、風呂場に行って、お湯を溜めに行った。 「ニャー。」 「あれ?起きたの?」 「ニャ。」 僕は足元にくっつく子猫を抱き上げて、部屋に戻る。そして、子猫をもう1度タオルに包む。 子猫はそこから出ようと動き出す。そんな子猫の様子が面白くて、見ていた僕の耳に携帯の着信音が聞こえた。 「沼田…?」 僕は電話の相手を確認して、電話に出た。久しぶりの友人の声は変わっていなかった。 『中井?俺、沼田。覚えてるか?』 「覚えてるよ。急にどうしたの?なんか急用?」 『実はさ、今月クラス会すんだよ。高校のメンバーでさ。』 沼田の楽しそうな声を聞いて、僕は心の中で苦笑した。 いつもそのクラス会を断っていた僕はその時なぜか行きたいと思った。 「多分、その日なら行けると思う。」 『マジかっ!?んじゃ、○日の8時に駅前に集合ってことで。』 沼田はそう言って電話をきった。僕は子猫を抱き上げながら、風呂場に向かう。 子猫は少し嫌そうだった。
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