白い子猫

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―それから僕は1人じゃなくなった。家に帰れば、白い子猫が僕を待っていてくれる。家の中にいれば、ずっと僕の側に居た。 そんな子猫の頭を撫でてやる。 「ニャー。」 「そういえば、まだ名前決めてなかった…。」 「ニャ。」 僕が呟いた言葉に反応したように子猫は鳴いた。 僕はしばらく考えてから思いついた『名前』を言った。 「“シルク”。シルクにしよう。」 「ニャー。」 シルクは嬉しそうに鳴いた。そして、僕の手に擦り寄ってきた。 「首輪も買わないといけないね。」 「ニャーウ。」 僕とシルクの生活は始まったばかりだけど、これからは1人じゃない事が嬉しいと思う。冷たかった部屋が、シルクのおかげでとても暖かい場所に変わった。 シルクと一緒にベットに眠りながら、僕はどこか懐かしい夢を見た。それは白い子猫を抱き上げて、父に頼む幼い頃の僕だった…。 ―白い子猫と幼い少年は約束していた。 『必ず僕が飼ってあげるから』と…。 END
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