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水野家に到着すると、俺はインターホンを押した。
ピンポーン。
機械音がしてすぐに。
「佑輔君ね? 開いてるから入っていいわよ」
扉を開けると、奥の方に響子さんが見えた。
「お邪魔します」
靴を脱いであがる。
「うふふ、佑輔君また来てくれたのね」
響子さんは口元に手を添えながら笑う。
「ご飯が三人とも美味いから来ました。」
「あらあら、お世辞が上手ね?」
いやお世辞じゃないですよ。
「まあ、立ち話もなんだから上がって?」
「はい」
綺麗に片付いているリビングに行く。
俺はふと、一枚の写真を見た。それは貴史さんの写真だった。俺と桜と響子さんと一緒に写っていた。
「懐かしいわよね、もう十年以上も経つのね・・・・・・」
響子さんが紅茶を持って来て言う。
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