第1話 水野家の過去

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桜自身、そんな出来事があって淋しくもありそして悲しかったんだ。 「響子さんはいつ桜に話すんですか?」 響子さんは黙る。 「すいません、他人の家の事情に勝手に口出しして・・・・・・」 響子さんは、 「いや、良いのよ。私は佑輔君だからこそ話したの」 俺は一体どうすれば・・・・・・。 その時、いきなり携帯電話が鳴り出した。多分俺のだろう。 携帯を取り出して出る。 「もしもし?」 「あっ、佑輔君? 桜だけど。ちょっとさ荷物が多くて困ってるの。よければ商店街に来て」 「そんなに買ったのか?」 「うん・・・・・・、ちょっとね」 「分かった、少し待ってろ」 「うん」 携帯を切ると、響子さんが、 「私、そんなに桜に買い物頼んだかしら? 多分きっと佑輔君が来るからあの子も張り切ってるのね」 響子さんは笑う。 「じゃあ、ちょっと俺、行ってきます」 「うん、気をつけてね」 俺は水野家を出た。
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