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朋樹は、何か手掛かりがないかと現場資料を見ていた。
「何か手掛かりは、見付かりましたか?部長……」
「松戸君。いや、全然見付からないよ……今、学園から帰ってきたの?」
「はい。今、戻ってきました」
「御苦労様」
「今日も大変でしたよ。女子生徒達が、わーきゃー言って……何でそこまで、彼等に夢中になるのでしょうか」
畦は吸血鬼の事を、あまり快く思っていない様だ。
「彼等は……」
「はい?」
「『吸血鬼』は『人』の生き血を好み、不老不死で夜行性……獰猛な一面もあるけど、その姿は美しく、気位が高く、優れた知能と身体能力を持っている。女の子達が、騒ぐのも分かるよ」
霧が立ち込める外を見ながら、朋樹は言った。
🌃🌃🌃
夜になると、更に霧は濃くなっていった。
そんな日でも未夜は、欠かさず警備する。
「凄い霧……外が全然見えない」
未夜は、闇血が授業を受けている校舎内を警備していた。
(今夜も、異状なし)
何も異状が無い事を、確認した未夜が、少し気を抜いた時だった。
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