13460人が本棚に入れています
本棚に追加
雪は新品の制服に身を包み仏壇に向かった。
「父さん母さん行ってきますっ!」
と挨拶して家をあとにした。
通学路である天宮市天宮町の桜が咲く街路樹を一人歩いていく雪。
そう何の偶然か、雪の名字と雪が住んでる市と町の名前が漢字も読みも同じなのだ。
当の本人はあまりに気にしてはいなく、桜が多い良い町だとだけ実感している。
桜かぁ……!
久しぶりに花見でもしたいなぁ……。
と物思いに耽って登校していると桜ノ宮高校が見えてくる。
◇ ◇
「着いた…!」
天宮家から学校は物凄い近い。約7分である。近いのだが雪は7時に家を出てきてしまったので学校には誰も居ない。
なぜならば自分のクラスに8時半までにいればいいのだ他の人が居ないのは当たり前だった。
ちょっと早すぎたかな?
まぁ、いいや校庭でも見て回ろう。と自前のマイペースで気持ち切り替えた。
「いやぁ…桜が綺麗だなぁ……」
校庭にある桜の木をみて呟くと春の暖かな陽気に眠気を誘われ、桜の木に寄りかかり、瞼が重くなり、雪は寝てしまいそうになり……
「…スゥー……」
やがて大人しい寝息を立てて寝てしまった。
最初のコメントを投稿しよう!