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――………。
「スヤスヤ……」
雪がメルヘンな寝息で、外で寝ている頃、もう時間経っており、入学式が始まり、 大勢の生徒が体育館に入場している。
……ザワザワ…
「早くいこうぜっ!ゆーき」
「まってよぉ…りょーた」
「あっ!……あの馬鹿二人はまた……」
「あの人、二年生なのに…」
「三年生の二人を踏んずけて歩いている」
一年生より大騒ぎをしている三年生に続き二年生、そして一年生と体育館に入場していく。
桜ノ宮高校は一年生だけあとから入場はさせず、全校生と一緒に入場させる。
一年生が緊張しないようにと校長の計らいらしい。
今の校長が新任して以来ずっと入場の形がそれだった。
そして全校生が入場すると体育館の一角で一年生の男子がどよめく。
「ちょっ!
……あの女の子綺麗じゃね?」
「アイドルかっ!?」
「ツンデレ萌え~」
など男子生徒は、百人に聞いたら百人が美少女と言うほどの美少女を見て、叫びにも似たコソコソ話で喋っていた。
つまり、声は大きかったのだ。
そんな声が聞こえないのか、美少女と言われていた女の子は誰を捜すように辺りをキョロキョロ見渡す。
そんな仕草だけで男子たちをキュン死させる女の子。
腰まで届きそうな勢いの長いストレートの黒の髪に切れ長で、まるで描いたように綺麗な眉毛に、キリッとした目に黒い瞳。
あんな唇にキスをしてしまいたいて淡い夢を抱いてしまうほどのみずみずしい唇、綺麗な形でちょこんと膨れた丘が二つと胸を除いて素晴らしい容姿を持った美少女だった。
また、
男子生徒の制服は黒い学ラン。
女子生徒の制服は漆黒をメインに、衿や裾の所々に真紅のラインが入っており、男子生徒の制服とは比べものならないクオリティであり、またその制服が女の子の美貌を引き立てていた。
するとその女の子の列の前の方から先程の叫びに似た声が聞こえてくる。
「なんだなんだー」
「ツインテールの生き残りかっ!」
「めっちゃ可愛いんだけど!」
人の迷惑を考えずに叫ぶ変態な男どものその視線の先には……。
栗色のツインテールの女の子がいた。
またもや百人に美少女と聞いたら百人が美少女と言うほどの美少女だった。
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