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先程の美少女ほどではないが、長い栗色の髪をピンクのリボンで結ってツインテールにする。
そんな髪型からか、顔が幼く見え、大きくくりくりとした茶色の目で見られたら、つい思わずにやけてしまうほどの可愛い容姿だった。
こっちも考え事をしていて、唇に人差し指を添えて首を傾げる。
そんな仕草にキュン死した男子数十名。
先程の美少女にキュン死させられた男子の数を合わせると百名近い男子がキュン死するというカオスな殺人現場が出来上がる。
そんな殺人現場が出来上がった(男子たちの目がハートマークになっただけ……それでもカオスなのだが…)数分後、まさに磯野○平ヘヤーの教頭先生が怒鳴る。
「静かにっ!」
体育館に怒鳴る声が響き渡ると同時に皆、静まり返る
そして教頭の残り少ない髪の毛が数本散っていったのは教頭先生以外誰も知らなかった。
そして教頭先生はこう思った。
もう怒鳴るのは止めよう……。
そんな教頭の虚しい思いともに入学式が始まった。
「新入生代表、西園寺澪(サイオンジミオ)」
「はい」
先程の黒髪の美少女は西園寺澪と教頭に呼ばれ、そして体育館に響き渡るように透き通った綺麗な声で返事をした。
「桜舞う今日この頃――」
澪は決まり文句を筆頭に代表の言葉を紡ぐ。
皆、澪の言葉に耳を傾け静聴している。
それほどの魅力を擁する西園寺澪は生まれが普通の人と違うと、代表挨拶を聞いていた教師たちはそれぞれ思った。
「――これで代表の言葉とさせていただきます」
新入生代表の挨拶が終わった澪は、考えていた。
ざっと見回したけど、居ないわ……
はぁ…きっと遅刻ね…!
そうに決まってる!
そんな事を胸に秘め、自分の元いた場所に戻る。
早く会いたいなぁ……ふふっ…
そんな事を考えていた澪は、いつのまにか、にやけていた。
ツインテールの美少女も澪の姿を見るとにやけていた。
あっ、お姉ちゃんだぁ。
言うことは……
やっぱり、ゆー君がいるんだぁ
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