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肌寒さも緩くなった4月半ばの午前2時。
死にかけた街灯がパカパカ点滅する薄暗い路上にて。
「オイ~おまえこんだけ?」
「服の割にショッパイなー」
「もっと持っててよ、俺らのためにぃ」
ガハハと高らかに笑う仲間たち。
俺は一歩離れた場所からそれを見ている。
無意識に数人で半円を作っている仲間の足元にはスーツ姿のオッサン。見ためは30代半ばと言ったところか。口元から血ぃ出して転がってる。
ショーマ
「おい翔馬、分け前」
仲間のひとり・タケが俺に諭吉を1枚差し出してきた。
「サンキュ」
ひったくるように受け取ると、雑にポケットへ突っ込む。
「行くぞ、おめーら」
意識が薄れているだろうオッサンを放置したまま、仲間とその場を立ち去った。
俺らは今、“狩り”の真っ最中ー。
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