109人が本棚に入れています
本棚に追加
それからの日々は、本当最悪だった。
仕事の始まりから終わりまで、羽月さんが側を離れることはなかった。
「もう本当、いい加減にしてください。いつまで側にいるつもりですか」
「華菜ちゃんの男嫌いが直るまで…」
羽月さんは耳元でボソッと言った。
そのせいで、私は会社のみなさんから、変な誤解をされるはめになった。
「椿さんと羽月さんは、相変わらず仲がいいねぇ」
「部長!変な誤解はやめて下さいよ」
「華菜ちゃんて良く見ると、すっげぇかわい」
そういうと、羽月さんが後から抱きついてきた。
「人前で抱きつくなぁ!気持ち悪いから離れて」
そんなこんなで、仕事も少し疎かになっています…。
そんな私たちをいつも冷たい眼差しで見る人がいる。
「いい加減にしてくれよ」
木崎さんだ。
「木崎、オレに妬いてるんだ」
「は?」
「おまえも華菜ちゃんと仲良くなりたいんだろ?」
「おまえと一緒にすんな」
木崎さんには、めっきり嫌われてしまった。
羽月さんのせいだ。
最近ちょっと木崎さんていいなって思ってきたのに。
まぁでも、少しは男嫌いが克服できたのかな…?
最初のコメントを投稿しよう!