アイ ニード ザ サン

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「じん!」 レジでツマミの入った袋を”かめなし”から受け取ると、聞き慣れた声が名前を呼んだ。 その先に視線をやれば入り口に突っ立つ私服姿のぴぃがいた。 「ぴぃ!おまっ…来んのおせえ(笑)!」 「え~?!来いって言われてないけど~!」 ほてほてと平和そーに歩きながら俺に近付くと、ぴぃはレジにいた”かめなし”をちらっと見た。 「ね~、もしかして酒お断り、みたいなカンジ?」 俺のばか高校の制服の袖を掴みながら、首を傾げてぴぃが”かめなし”に聞く。 ぴぃは中・高と同じ学校で、四六時中ツルんでる俺の親友。 ぴぃは誰にでも愛想がいいし、人懐っこいっつーか…とにかく男女問わず人気がある。 この容姿もともなって、ぴぃのわがまま(本人いわく”お願い”だそーだ)が通らなかった場面を見たことがない。 …つーか世渡り上手。 さあ”かめなし”、 お前はどうでる? 「―――未成年じゃ無理なんで。」 ぶはっ!(笑) ヤルじゃん”かめなし”!! 何こいつ、超おもしれーじゃん! 隣には人生初の負け星くらったって、不服全開のぴぃの顔。 「え~~~!!マジで~?!」 俺の腕にしがみついて泣きまねするぴぃを、笑いながら慰める。 「こら、ぴぃ。もー諦めナサイ。(笑)」 「え~何でじん笑ってんのー!あ~あぁ…飲みたい気分だったのにサ!」 プゥ、と頬っぺた膨らませながらぴぃはドアへと向かった。 そのあとを追おうとして、ハタと思い止まる。 ぴぃが出ていった店内にはお客の退店を告げるチャイムが繰り返された。 .
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