アイ ニード ザ サン

3/8
998人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
くるりと反転してレジカウンターに向き直る。 ”かめなし”は何事もなかったかのように背を向けて、さっさとタバコケースの補充をしていて、 俺は”かめなし”の左肩をぽんっ、とたたいた。 「―――!!!」  !?? ありえないくらいにびくっ、て震えたその肩に俺の方がびっくりして。 「…ぁ、その…悪り‥」 怖ず怖ずと手を引っ込めながら謝るしかなかった。 つか、そんなに驚く? すぐに一人の世界に入り込むタイプ、とか……? 「いや、大丈夫…ごめん。なに?」 驚かしたのは俺の方なんだけど逆に謝られて、やっぱり律儀なヤツなんだって思った。 振り向いた”かめなし”の顔がすぐに元に戻ったから、感じた違和感には蓋をした。 そのときの俺には、先立つ気持ちで手一杯で。 「明日もいんの?」 目を丸くして はっ? って顔をお前はしてたけど、カウンターから乗り出した身を引く気なんか1パーもなかった。 いつもなら”やっぱいい”とかって言いそうな俺が。 ちょっと強がりにもお前のコト”興味ない”なんて言えなかったから。 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!