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男の子たちには啓が手を回してくれていたみたいで、ユウナに関わろうとする子は1人も居なかった。
ユウナを指差して笑っている子なんかもいた。
気分がいい。
私の完全勝利だね。
「ユウナ最悪じゃん」
突然後ろから肩を叩かれたから、驚いて振り向くと、コノミが立っていた。
陽に焼けた健康的な肌の彼女は、素っぴんでもハッキリとした顔立ちで、私みたいに着飾ってなんかいなくてさ。
健康的美少女って感じ。
コノミみたいになりたいとは思わないけれど。
「おはよう、ハナ」
コノミはスラッとした手をヒラヒラさせながら自分の席に行く。
最近短くしたコノミのボブヘアーが本当によく似合っているなあ、とかどうでもいい事を考えながら何気なく目で追った。
自分の席に荷物を置いたコノミは、次にユウナの席に向かった。
それを見た瞬間、直ぐにコノミを睨む。
口は笑ったままなのに、眉間に皺がよって変な顔だったと思う。
上手く状況が掴めない。
コノミを呼ぼうと思った。
と同時に、先生が教室に入ってきたので取り敢えず諦め席に着く。
反逆者が出た。
コノミは反逆者だ。
排除するか?
いや、一先ず様子を見よう。
私は授業中に自問自答を繰り返していたが、案外答えは早く出た。
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