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やっとの休み時間に教室からすぐ出て行ったコノミを追いかけてる。
コノミはそれを予想してたのか、適当な人気の無い廊下で立ち止まる。
私が来る事がお見通しってわけね、気にくわない。
何て声をかけようか迷っていると、満面の笑みを浮かべたコノミが振り返った。
ゾッとして、自分の心臓がドキドキしているのが分かった。
「ユウナがさ、ちょっと愚痴っただけなのに、周りの人も巻き込むとか最低だ!って言ってたよ」
何を言われるか恐くて堪らなかったけど、なんだ、拍子抜け。
ニヤニヤしながら告げ口するコノミはきっと、こうやって私に取り入ろうとしてたのね。
皆やっぱり、意地が悪いなあ。
コノミは私の刺客ってわけだね。
「私は別に皆にユウナの事無視して、なんて一言も言ってないからなあ、うん」
肩を竦ませ、困った顔をして見せる。
「それにしてもユウナ、ウザいよねえ」
そう言い残して教室に戻ってゆくコノミは、くの一だよ。
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