宣戦布告

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上機嫌で自分の教室に入った瞬間、後ろから誰かに抱きしめられた。 啓【ケイ】の匂いがする。 一瞬の抱擁から解放されて向き合う。 「やっぱ啓じゃん」 「え?まあいいや。 ハナ、おかえり。どこ行ってたんだよ」 啓は私の彼氏。 サラサラした少し長めの焦げ茶色の髪に高い鼻、くっきりとした二重の目、綺麗な顔立ちでクラス1の男前だと思う。 そのうえ、いつも学年で上位を争っているほど勉強も出来る。 啓と付き合えた事は、宝くじの1等賞が当選したくらい奇跡だと思う。 高校に入学してすぐ、皆が羨ましがる彼氏が欲しくて、目を付けたのが啓。 最初はユウナが、啓の事が好きだって言ってた。 気にして観察みると確かに結構男前って気付いた。 ユウナには啓と取り持ってあげる、なんて言ったっけ? 啓にはユウナの事で相談がある、イジメられてるの、って言って2人で話す様になったんだよね。 それからはトントン上手くいって、出会ってひと月も経たない内に、啓に告白されて付き合うようになった。 「ハナは俺が守るから、ずっと傍に居てくれ」なんて臭い告白だったよ。 啓は私の最大のアクセサリー。
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