第二章・北条騎士

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さっき騎士が助けた女の子が寂しそうな顔をして、騎士に近寄って来た。 そして、騎士の上着の袖を掴み、黙り込んだまま騎士を見つめた。 騎士は、黙り込んだままの女の子を見て、ふと、ズボンのポケットに手を入れた。 そして、何かを取り出し、女の子に手渡した。 「お守りだよ、君にあげよう。」 そう、声をかけて。 女の子の顔に、わずかだが明るさが戻った。騎士はホッとした。 それを見ていた正義が、自分もついて行くと言い出した。 騎士は戸惑った。 ずっと一人で旅をしてきて、仲間がほしいとは思っていた。 しかし、ここで正義を連れて行って良いのだろうか? 騎士が迷っているのに気づいたらしく、僕も一緒に戦いますと、繰り返し言った。 ついに、騎士は首を縦に振った。 こうして、天草正義を仲間に加え、龍神、いや、北条騎士の旅は新たなる一歩を踏み出した。 さっきの女の子もついて行くと言ったが、さすがに危険すぎる、騎士は女の子に対して、また会えるさと言い残し、正義と共に、避難所を出た。
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