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第三章・龍神と黒龍
騎士と正義は、隣村に着いた。
ここは、魔導の力を持つ者こそいないが、そこそこの兵力があったのか、襲撃による痛手は見て取れなかった。
正義の勧めから、二人はこの村の情報屋の元を訪ねた。
さすがに、騎士は有名だったらしく、情報屋は騎士に言った。
「おぉ、これはこれは龍神殿、私なんぞがお力になれますでしょうか?」
情報屋は割と若い女だった。
なれないのならば訪れないだろうと、女に告げた。
しかし、情報屋の女に質問したのは、騎士ではなく、正義だった。
正義のした質問はこうだ、自分と一緒に、騎士から修行をつけてもらった少女の行方を知らないか?
というものだ。
情報屋の女は、少女の名前を尋ねてきた。
正義はそれに対応して、少女の名前を答えた。
坂下援(サカシタ エン)、それが少女の名前だ。
それを聞いて、情報屋はうなずき、その少女ならこの村から東に行って、二つ先の町に坂下援はいると言った。情報料を払い、二人は立ち去ろうとしたが、情報屋の女が引き止めた。
最後にもう一つ、これは料金はいらないと言い、騎士に告げた。
「黒龍と呼ばれている者がいる、その者はカオスといい、龍神殿によく似た男です。」
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