我が世界へようこそ

なんじゃこりゃあ

私は、「小指に激痛が走ったのは突き指をしたからだ」

「いつもの突き指よりも痛く感じるのは、当たりどころが悪かったからだ」

と思って疑わなかった。

そう信じ込んでいた私は、突き指の具合を確かめるために、左手を握ろうとした。

その時に初めて違和感を感じたのだ。

「小指が曲がらない」

何度試してみても、小指だけは曲がらなかったのだ。

そのことに疑問を抱き、そこでようやく左手の小指に目を向けてみる。

その瞬間私の目に信じられない光景が飛び込んできた。

只の突き指だと思っていた左手の小指が、見るも無惨な姿になっていたのだ。

正確には左手の小指の第2関節が外側に、第1関節が内側に曲がっていたのだ。

その光景を間のあたりにした瞬間、私の目がおかしくなってしまったのか？

そう思い、一度目を反らして冷静になってから、再度目を向けてみた。

しかし、何度見てもおかしいのだ。

私の頭は一瞬にしてパニックに陥った。

あんなに混乱したのは、人生で初めてだった。

あまりにも府におちなかったので、

自分自身の左手の小指を、
私の右手人差し指で指差しながら、

近くにいた友達に思わずこう聞いてしまった。