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今ふと閃いた事を口に出してみようと思っていたその時、私の携帯から
「バッテリーの充電が完了しました」
と一声あったことで、私は今から話そうとしていた内容が、どうでもいいことのように思えてきた。
まずは携帯に一言言わねばなるまい。
「親切にありがとうございます」
私の携帯が、無駄に気を使ってくれた事に対して、私は感謝の気持で応えねばならない。
しかし、まさか普段から愛用している携帯に、私が一瞬の動揺をさせられるとは夢にも思わなかった。
ファンタスティックだ。
これだから、なかなか新しい携帯にすることに踏み切れない。
愛着がある…という感情は「なきにしもあらず」だが…
やはり私の興味を惹き付け続ける[魅力]が、この携帯にはあるのだろう。
これは一種の【恋】という感情なのではないだろうか?
まさか、これも青春の1ページとして私の記憶に残るのであろうか?
そんな青春はご遠慮願いたいものだ。
しかしながら、冷静に考えてみると、私は青春をした覚えがない…
青春の1ページがどうとか吐かしてしまったが、どうやらキャンバス自体がなかったらしい…
無念だ。
しかしそれもまた青春なのかもしれない。
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