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星の川には星の川を司る三人の女神がいました。
流れる星を司る女神スタリア、神の水を治める女神スィア、そして川の流れを支配する女神リューネの三人です。
女神たちは水や星が地上へ流れでないように守っていましたが、流れを司る女神が地上に降り立った時、一人の人間の男を愛してしまいました。
神が人を愛することは、神々の間では避けるべきだと言われていました。
それは『永遠』を生きる神が『死』を避けられぬ地上の者を愛せば必ず『永久の別れ』が訪れるからです。
だからこそ、神々の間では地上に介入すること、ヒトを愛することはタブー視され、避けられてきました。
しかし、星の川の流れを司る女神は男を忘れられず、密かに会いに行ました。姿を見られぬように注意をしながら。けれど、男は女神を見付け、そして女神の美しさに心奪われてしまいます。
それから二人は秘密で会うようになり、長い間それが続きました。二人は幸せでした。けれどある日、突然の悲劇が二人を襲いました。男が不治の病に侵されてしまったのです
リューネは男を助けようと『病』を司るイルネア神に頼みました。
「あの人を助けて下さい」と。
けれど、イルネアは言いました。
「それは出来ない。もうすぐ寿命なのだから」
それを聞いたリューネは嘆き、幾日も泣き続けました。そして気付いたのです。自分が流れを司る星の川の水を与えられれば、助けられるのではないかと。
リューネはスィアに頼みました。
「どうか、あの人を救うために貴方の治める水を分けてください」
けれどスィアは言いました。
「それは出来ません。私達『水の神』の長である水神様に許しを得なさい」
スィアの言葉を聞いた彼女は水神ウォルテスに会いに行きました。
「どうか私の愛する人を救うために、星の川の水をください」
ウォルテスは言いました。
「私の判断では許可することは出来ません。自然神の長である『根元』の神に伺いを立てなさい」
リューネは根元の神の住居へ行きました。そして根元の神ウルラスに頼みました。
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