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「……その問題って?」
「それは、あなたに容疑が掛かっている為です……」
西都さんが言う容疑とは、一体何なのだろうか?私は容疑が掛かるようなことはしていないし、覚えもなかった。
「……容疑?私が何故疑われているんですか?」
「……あなたのお父さんはスパイを捕らえるために、独断でスパイと接触し、自国の機密情報に触れたという事実があります」
西都さんの言っていることは分かった。しかし、そのことと私にどういう関係があるのか、私には理解できなかった。
「……それと私にどういった関係が……」
「……上の者が、あなたが情報をお父さんから受け取っていると思っているんです。……しかし、証拠が無いために尋問することもできません……しかし、安心してください。僕はこの任務に自ら名乗りを挙げた理由はそうならないためなんですから」
私はなんとか西都さんの説明に納得できた。
「……つまり、西都さんは私を監視するために?」
「まぁ、そういうことになりますね。……それでも一番の理由は遺言をやり遂げることですけどね」
彼の言葉に嘘は無いと思う。これなら彼の行動に全て納得できるからだ。
「……でも、西都さんは軍を辞めたはずですよね?……ならどうして……」
「……もし、あなたのお父さんが生きていたなら、本当は英雄として扱われていたはずです。……その人の娘に尋問なんて許せませんからね……」
そういうことだったのか。私は西都さんに質問する。
「それはどの位の期間まで続くのですか?」
「……3ヶ月位です。その期間が終われば、僕の任務は終了します」
思っていたより短い期間だと思った。
「そうなんですか。しかし、一緒に住むわけにはいきませんよ?……私達は男と女なんですから……」
西都さんは私のその言葉に笑顔を見せた。
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